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CASE STUDYリサイクル再生設備の排気ファンへのふっ素樹脂ETFEコーティング適用|耐食性・清掃性の向上により年間1,000万円のコストカットを実現

2026.10.09

導入背景・課題

100℃の腐食性排ガスによるファンの腐食とスケール付着に伴う清掃負荷

廃棄物から貴金属など回収・リサイクルする再生設備において、排気部に使用される業務用排気ファン(シロッコファン・多翼ファン・インペラー)は、プロセス内で発生する有害ガスや水蒸気を排ガス処理設備へ安定して送り込む重要な役割を果たしています。排気ファンが腐食による破損や機能低下を起こすと、ガス処理設備への適切な送風が妨げられ、室内に危険なガスが滞留するリスクが生じるため、常時安定した稼働と定期的な点検・清掃が欠かせません。

しかし、本設備の排気環境では、以下のような過酷な課題が発生しており、維持管理上の大きな不具合となっていました。

排気設備の従来運用における課題

  • 過酷な腐食環境による基材の短寿命化

    ガス処理設備へ送る排ガスは100℃前後の高温であり、腐食性成分を多く含んでいます。従来は金属基材の腐食を防ぐ目的でセラミック系の防錆コーティングを施工していましたが、常時回転に伴う強烈な駆動負荷と振動により、塗膜に欠け(チッピング)や剥離が頻発していました。約1年でリコートが必要となる上、剥離部から基材の腐食が進行。2~3年(リコート2~3回)でファン本体の基材自体が使用不能となり、高額な基材ごとの全面交換を余儀なくされていました。

  • 強固なスケール付着と過大な清掃メンテナンス負担

    ガスの移送に伴い、回転翼の表面や隙間に固形物(スケール)が固着・堆積していました。定期メンテナンスの際には排気ファンを分解・取り外し、工具を用いて手作業で削り落とすハードな清掃作業が必要でした。清掃作業には数日間の設備停止を要しており、作業者の負担と生産ラインのダウンタイムが非常に大きい状態でした。

これらの「腐食による基材破損と早期交換費用」および「スケール除去にかかる多大な清掃工数」の双方を解決するため、耐久性と非粘着性を兼ね備えた新たな表面処理について当社へご相談をいただきました。

製品提案・仕様概要

耐衝撃性と高耐食性を両立する「ふっ素樹脂 ETFEコーティング」による厚膜ピンホールレス仕様

排気ファンが置かれた100℃の腐食性ガス環境と、回転による強力な駆動負荷・振動という複合的かつ厳重な条件に対し、当社はふっ素樹脂の中でも特に優れた機械的強度を持つ「ふっ素樹脂 ETFEコーティング」の施工をご提案いたしました。

一般的に非粘着性や耐薬品性においてはPTFEやPFAが優れますが、強烈な遠心力や機械的ストレスがかかる回転体においては、塗膜の機械的強度と耐衝撃性に優れたETFEが適しています。ガス処理設備へ安全・確実に排ガスを送風し続けるための本仕様の特長は以下の通りです。

ふっ素樹脂ETFEコーティングの仕様と特長

  • 強固な機械的強度と耐衝撃性(塗膜の欠け・剥離を防止)

    ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)は、ふっ素樹脂の中で最も耐摩耗性・耐衝撃性に長けた材料です。連続回転による強い駆動負荷や微振動を受けても塗膜の欠け(チッピング)や割れが発生しにくく、過酷な動的環境下でも長期間にわたって密着性を維持します。

  • 厚膜施工によるピンホールレス構造で腐食成分を遮断

    本条件の排ガス温度(約100℃)および薬品成分は、ETFEの耐熱・耐薬品スペックの範囲内で十分に耐えうるものでした。そこで、ETFE被膜を数百µmの厚膜で施工し、ピンホールのない均一な塗膜を形成することで、腐食性ガスや水蒸気が下地金属に到達する経路シャットアウトし、基材の腐食を防止する方向でご提案いたしました。

  • ふっ素樹脂特有の非粘着性によるスケール固着抑制

    ふっ素樹脂が持つ低い表面エネルギー特性により、排ガスに含まれるスケールの付着量を削減、固着した場合でも、基材とスケールのくっつきにくくなるため、強く削り落とすことなく容易に剥離・洗浄できる表面状態を構築します。

導入効果

コーティングの耐久寿命が5年に大幅延長!清掃作業時間は「数日」から「1時間」へ短縮し、年間1,000万円のコストを削減

再生設備の排気ファンに当社の「ふっ素樹脂 ETFEコーティング」をご採用いただいた結果、防食性能と非粘着性の両面で劇的な改善成果が得られました。

ふっ素樹脂ETFEコーティング導入による改善効果

  • コーティング耐久性が5年に延長&基材の保護による再加工回数の増加

    ETFEの優れた機械的強度と耐衝撃性により、常時回転の負荷がかかる環境下でも塗膜の欠けや剥離が発生しなくなりました。従来1年ごとに実施していた再コーティングの周期が「5年(従来比 5倍)」へと大幅に延長。さらに塗膜の健全性が保たれることで基材の腐食ダメージが抑えられ、従来2~3年で破棄していた高額なファン基材の基材寿命も延長、基材の再加工(リコート)可能回数も大きく増加しています。

  • スケール除去作業が「数日」からわずか「1時間」へ激減

    ETFE塗膜の非粘着効果により、排気ファンへのスケールの付着量が減少、付着したスケールも多少の負荷で容易に除去できる状態となりました。これにより、従来、数日かけていた手作業清掃がわずか1時間程度に大幅に短縮できるようになり、現場の作業負担と設備のダウンタイムが劇的に削減できました。

  • 設備維持費と保全工数の削減により年間約1,000万円のトータルコスト削減を達成

    排気ファン基材は大型・特殊仕様の場合、1台あたり数百万円の製作費用がかかります。「高額なファン基材の制作・交換頻度の低下」「リコート施工回数の削減」「清掃工数および設備停止に伴う人件費・機会損失の削減」が組み合わさったことで、工場全体で年間約1,000万円におよぶ大幅なコスト削減を実現いたしました。

採用されたコーティングブランド

ふっ素樹脂ETFEコーティングは、優れた機械的強さと耐衝撃性を備えたふっ素樹脂表面処理技術です。非粘着性や耐薬品性、耐熱性は、PTFEやPFAと比較すると劣るものの、強烈な駆動負荷がかかる大型ファンやブロワー、配管、反応容器など、従来の塗膜では剥離や欠けが発生しやすい過酷な腐食環境において確かな保護性能を発揮します。

お問い合わせ・技術相談

貴社の製造・排気設備でこのようなお悩みはありませんか?
  • 排気ファンやブロワーが排ガス・薬液によって急速に腐食し、短期間で基材ごと交換している
  • 回転部や駆動部へのコーティングが振動や衝撃で欠けてしまい(チッピング)、耐久性が続かない
  • スケールや付着物の清掃に多大な時間と人件費がかかっており、メンテナンス工数やダウンタイムを減らしたい

当社では、お客様のプラント環境や排ガス成分、処理対象物の特性に応じた最適なふっ素樹脂コーティング仕様(ETFE・PTFE・PFA等)のご提案および試作施工を承っております。設備維持コストの削減やメンテナンス性の向上に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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