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CASE STUDY自動車内張り裁断刃の切れ味低下を抑え交換頻度を1/3に低減|工業用刃物への非粘着コーティング施工事例

2026.08.18

導入背景・課題

自動車内張りの裁断工程において刃先摩耗と頻繁な刃物交換が大きな課題に

自動車の内装に使用される内張り(ドアトリム、インストルメントパネル、天井材など)は、ドアの内側や天井、ピラー(柱部分)などに装着される樹脂、布、合皮などのカバーパーツです。車内の見た目を美しく整える意匠性だけでなく、走行中の騒音を抑える防音効果や、車内温度を快適に保つ断熱効果など、快適な空間作りに欠かせない役割を果たしています。これら内張りの強度や耐久性を高めるため、構成シートにはガラス繊維(GF)が配合された複合素材が多く採用されています。

しかし、製品の製造・加工現場において、この「ガラス繊維配合シートの裁断工程」が大きな技術的課題となっていました。

➤ガラス繊維による刃先の急速な摩耗

非常に硬質なガラス繊維を含むシートをカッティングすることにより、工業用刃物の刃先が著しく擦り減り、使用に伴って切れ味が急速に低下していました。

➤1ヶ月に1回という頻繁な刃物交換

刃先の消耗が激しいため、従来の運用では約1ヶ月程度で刃物を新品や研磨品へ交換せざるを得ませんでした。

➤メンテナンス工数とライン停止の負担

1ヶ月ごとの交換作業に伴い、生産ラインの停止時間(ダウンタイム)が発生するほか、予備刃物の管理や研磨にかかるコストが大きな負荷となっていました。

自動車内張りとしての性能を高めるガラス繊維が、製造現場では刃物の寿命を縮める原因となっており、切れ味を長持ちさせて交換コストを削減する表面処理技術が強く求められていました。

製品提案・仕様概要

切れ味を落とさない超薄膜・非粘着コーティング「NonStick STC®」を試作・提案

ガラス繊維配合シートの裁断に伴う刃先の摩耗と切れ味低下という課題に対し、当社では薄膜・非粘着コーティング技術である「NonStick STC®」の施工を提案し、試作評価を実施いたしました。

工業用刃物へのコーティングにおいて最も配慮すべき点は、「被膜の厚みによって刃先のシャープさ(切れ味)を損なわないこと」です。一般的なふっ素樹脂コーティングなどは膜厚が厚く、刃先が丸まってしまい裁断精度が落ちるケースがあります。

これに対し、当社が提案した「NonStick STC®」には以下の技術的特長があります。

➤刃先の切れ味を維持する「超薄膜仕様」

膜厚1µm以下の、非常に薄い膜厚でコーティングを形成するため、裁断刃の刃先形状(刃先角)を変化させず、カッター本来の鋭い切れ味と精度を維持できます。

➤すべり性(低摩擦)の付与による摩耗負荷の低減

被膜表面にふっ素樹脂コーティング並みの優れた「すべり性(低摩擦性)」を持たせることで、ガラス繊維配合シートを切断する際に刃先にかかる摩擦負荷・摺動抵抗を大幅に減らすことができます。

➤優れた非粘着性と耐摩耗性の高度な両立(高い耐久性を実証)

粘着物や樹脂の付着を防ぐ非粘着性能に加え、過酷な連続カッティングに耐えうる優れた耐摩耗性を備えています。社内評価においても、テープディスペンサーによる連続切断テストにて20万回以上の連続切断を達成しており、過酷な環境下でも剥がれにくく性能が長持ちする高い耐久性を実証しています。

「超薄膜で切れ味を一切落とさず、すべり性によってガラス繊維からの摩擦攻撃をいなす」というアプローチにより、カッター刃の長寿命化を図る最適なコーティング仕様としてご提案いたしました。

導入効果

カッターの切れ味が3ヶ月持続!刃物の交換頻度は「1/3」へ大幅減少

自動車内張りの裁断ラインにて「NonStick STC®」を施工した工業用刃物の実機評価を行った結果、優れた摩擦抵抗の低減効果が確認され、長年の課題であった刃物寿命の短さを劇的に改善することができました。

期待される具体的な導入効果は以下の通りです。

➤カッターの切れ味が「3ヶ月」持続(耐久寿命が3倍に伸長)

コーティングにより強固なすべり性が付与されたことで、裁断時の摩耗負荷が低下。結果として刃先の摩耗・摩滅が抑えられ、従来は1ヶ月で限界を迎えていたカッターの鋭い切れ味が3ヶ月間維持されるようになりました。

➤刃物の交換頻度が「1/3」へ低減

寿命が3倍に延びたことで、定期的な刃物交換の頻度を従来の1/3にまで減らすことに成功しました。

➤ライン停止時間(ダウンタイム)と管理コストの削減

交換回数が大幅に減ったことで、刃物交換に伴う生産ラインの停止時間が減少。作業者の交換工数削減とともに、研磨・予備刃物の調達にかかるトータルコストを削減できました。

➤安定したカッティング品質の維持

長期間にわたり初期の切れ味がキープされるため、内張りシートの切断面におけるバリや毛羽立ちの発生を防ぎ、製品品質の安定化にも貢献しています。

採用されたコーティングブランド

今回採用された「NonStick STC」は、超薄膜でありながら優れた非粘着性とすべり性を発揮する独自の表面処理技術です。工業用刃物やカッターの切れ味を落とさずに摩耗を抑えたい場合や、粘着シート・フィルム加工での付着防止に最適なソリューションです。詳しい仕様や技術データは下記よりご確認いただけます。

お問い合わせ

「自社で使用している工業用刃物の耐久性を高めたい」「ガラス繊維や難裁断材の切断による刃先摩耗に悩んでいる」「実際の刃物で試作テストを行いたい」など、製造現場の課題がございましたらお気軽にご相談ください。貴社のワーク材質や使用環境に応じた最適なコーティングをご提案いたします。

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