CASE STUDY 製品採用事例

  • HOME
  • 製品採用事例

CASE STUDY【ふっ素×PEEKコーティング】金型の耐摩耗性を飛躍的に向上!集塵フィルター成形金型への「PEEKCOAT Plus」採用事例

2026.09.17

導入背景・課題

金型の摩耗による頻繁な交換と、製品破損のリスクが大きな課題に

集塵機用フィルターのろ過体を製造するメーカー様では、樹脂材料に繊維状物質などの複数素材を配合し、金型で挟み込んで加熱プレスする「焼結成形(プレス成形)」を行われていました。フィルターの表面積を最大化するため、ろ過体には複雑な波板状・蛇腹状の凹凸形状が施されています。

成形後のろ過体を引き抜く際、金型表面への固着防止とすべり抵抗の低減(摺動性確保)を目的に、従来は金型表面に一般的なふっ素樹脂コーティングを施されていました。しかし、この工程において以下の課題が発生していました。

ふっ素樹脂コーティング仕様の金型における課題

  • 引き抜き時の擦れによる塗膜の早期摩耗

    複雑な凹凸形状と配合材料(繊維等)による過酷な摩擦により、ふっ素樹脂コーティングが早期に摩耗。1ヶ月弱で非粘着性とすべり性が低下し、金型表面の汚れ(材料のカス)の堆積したり、製品が引き抜きにくくなるという問題がありました。

  • すべり性低下に伴うろ過体の破損と歩留まり低下

    離型性やすべり性が低下すると、金型からの引き抜き作業時に大きな抵抗がかかり、繊細なろ過体が破損するトラブルが発生。また、金型表面に付着し、熱により劣化した製品材料の残渣が、製品表面へ付着するなど、歩留まりを低下させる要因となっておりました。

  • メンテナンス頻度の多さと生産性の低下

    コーティングが摩耗するたびに金型を取り外し、再コーティング(リコート)を行う必要があり、頻繁なライン停止とメンテナンス工数が大きな負担となっていました。

このご相談に対して当社では当初、耐摩耗グレードのふっ素樹脂コーティングをご提案しました。これにより非粘着性とすべり性を約3ヶ月間維持できるようになり一時的に改善したものの、お客様からは「さらに交換頻度を下げて大幅なコストダウンと安定生産を実現したい」と再度ご相談をいただくことになりました。

製品提案・仕様概要

ふっ素樹脂とPEEKのハイブリッドコーティング「PEEKCOAT Plus」のご提案

再度の課題解決に向け、当社はふっ素樹脂と超高機能樹脂PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を融合させた混合コーティング「PEEKCOAT Plus」をご提案いたしました。

PEEKCOAT Plusは、ふっ素樹脂の被膜内に硬質なPEEK樹脂の微粒子を均一に分散・配合させた独自のハイブリッドコーティングです。従来のふっ素樹脂コーティングに不足していた「耐摩耗性」を高めることで、過酷な樹脂焼結成形環境に対応します。

ふっ素樹脂×PEEKのハイブリッドコーティング「PEEKCOAT Plus」の仕様と特長)

  • 優れた非粘着性とすべり性の維持

    ベースとなるふっ素樹脂の優れた表面特性により、高い非粘着性とスムーズなすべり性を担保します。

  • PEEK粒子補強による摩耗耐久性

    塗膜内部に均一分散された硬質なPEEK樹脂粒子が補強材となり、塗膜強度を強化。強い摩擦力がかかっても摩耗が進行しにくい高い耐久性を実現します。

  • 相手材(金型・成形品)を傷つけない樹脂素材

    一般的な無機フィラー(セラミック等)とは異なり、補強材も樹脂であるため硬すぎず、接触する成形品(ろ過体)や相手材に傷をつけにくい特長があります。

ふっ素樹脂の離型性能とPEEK樹脂の耐摩耗性を両立させたこの仕様により、金型の大幅な長寿命化を目指してテスト導入を行いました。

導入効果

金型寿命が約1年に延伸!再コーティング頻度の低減により大幅なコストダウンと生産性向上を実現

集塵フィルター成形金型に「PEEKCOAT Plus」を施工・導入いただいた結果、従来のふっ素樹脂コーティングで生じていた問題が大幅に改善され、高い効果が得られました。

ふっ素樹脂×PEEK複合コーティング「PEEKCOAT Plus」導入による改善効果

  • 金型の耐久性が約1年間へ大幅向上(耐久性約4倍)

    耐摩耗性に優れたPEEK樹脂粒子の効果により、過酷な引き抜き作業に長期間耐えうる被膜構造を実現。耐摩耗グレード(約3ヶ月)と比較しても約4倍となる、約1年間の連続使用が可能になりました。

  • 非粘着性・引き抜きやすさを高水準で維持

    ふっ素樹脂の特性を活かした高い非粘着性とすべり性は、従来のふっ素樹脂コーティングと遜色ないパフォーマンスを発揮。ろ過体の引き抜きトラブルや製品破損のリスクが大幅に低減ました。

  • メンテナンスコスト削減と生産性の向上

    金型の交換・再コーティング(リコート)頻度が劇的に減ったことで、メンテナンス工数や予備金型の管理費用を削減。ライン停止(ダウンタイム)を最小限に抑え、工場全体の生産性向上の達成に貢献しました。

採用されたコーティングブランド

金型の長寿命化と優れた離型性を両立し、製造現場の生産性向上に貢献するハイブリッドコーティング技術の詳細・製品スペックは下記ページよりご覧いただけます。

お問い合わせ・技術相談

貴社の製造現場で、こんなお困りごとはありませんか?
  • 成形品を引き抜く際の摩耗が激しく、離型コーティングがすぐに剥がれてしまう
  • 金型の再コーティング(リコート)頻度が高く、メンテナンスコストやライン停止時間に頭を悩ませている
  • 摩耗に強く、なおかつ相手材や成形品を傷つけない高耐久なコーティングを探している

当社では、お客様の製造工程・使用環境や用途に応じた最適なコーティング仕様をご提案・テスト施工(試作)いたします。表面処理に関するお悩みや課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

NIKKEN関連する製品採用事例

TOPに戻る