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CASE STUDYレーザー変位検査装置ステージへの厚膜PEEKコーティングの適用|成形品の貼りつけ作業を全廃し、トータルコストの削減に成功

2026.07.28
業界
機能・用途
目的・効果
採用された製品

導入背景・課題

検査対象物のキズ防止と、ステージ部品における貼り付け工程の膨大な工数・コストが課題に

各種産業分野における精密検査プロセスでは、レーザー光を用いて非接触で高精度な高さ・厚み・歪みや反りを測定する手法が広く採用されています。例えば、液晶ディスプレイパネルやガラス基板、シリコンウエハをはじめとする半導体関連製品などの微細な歪み・反りを検査・測定する装置において、対象物を載せる「検査装置ステージ部品」の表面品質は、測定精度や品質を左右する極めて重要な要素です。

金属(アルミニウム等)製のステージをそのまま使用した場合、搬送時や載置時にデリケートなワーク表面を傷つけてしまうリスクがあります。あるお客様では、従来は金属ステージの上面にPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の成形品を貼り付けて保護する方法が行われていました。
しかし、この従来方法には検査装置の製造・メンテナンスにおける大きなボトルネックが存在していました。大型のワーク(1〜2mサイズ)に対応する検査装置ステージ上にPEEK成形品を貼り付ける作業では、以下の煩雑な工程を一つひとつ手作業や専用治具で行う必要がありました。

PEEK成形材を貼り付け作業の工程

  • 高精度な「位置決め」作業

    1〜2mにおよぶ大型ステージの面全体に対し、成形板のズレや隙間が生じないよう、専用の固定具を用いて手作業で微細な位置調整を行う必要がありました。

  • 固定用の「穴あけ加工」

    金属基材とPEEK成形品の双方に対し、固定用のネジ穴や位置決めピン用の穴を高精度に穿孔(穴あけ)する追加の機械加工工程が発生していました。

  • ネジや部品を用いた「固定作業」

    歪みや浮きが発生しないよう、多数のネジを用いて均等な締め付けトルクで固定する作業を1箇所ずつ丁寧に行う必要がありました。

  • ミクロン単位の水平度を出すための「精度調整」

    ネジ留めによる局所的な締め付けストレスや貼り付け面の微小な高低差によって不陸(凹凸)が生じるため、最終的に手作業や追加研磨でミクロン単位の高度な水平度・平面度を出す膨大なセッティング調整時間を要していました。

これらの工程には膨大な作業時間と専門的な工数がかかっており、検査装置の製造コストを著しく押し上げる要因となっていました。そのため、お客様からは「成形品の貼り付けではなく、PEEKコーティングによって同等以上の保護性能と高精度を代用・実現できないか」というご相談をいただきました。

製品提案・仕様概要

大型(1〜2m)設備対応と「1mm以上の厚膜PEEKコーティング+後切削加工」による課題解決

当社では、従来の手作業による貼り付け工程を根本から見直し、精密検査装置の金属ステージへダイレクトにPEEK被膜を形成するPEEKコーティング「PEEKCOAT N(厚膜仕様)」をご提案いたしました。

本ご提案における技術的ポイントおよび仕様の概要は以下の通りです。

厚膜PEEKコーティングの主な仕様と特長

  • 大型ワーク対応設備による施工

    1〜2mクラスの大型検査装置ステージ部品に対応可能な施工・焼成設備を完備しており、大型機械部品・装置部品への一括コーティングが可能です。

  • 1mm以上の厚膜塗装と精密切削加工による高精度化

    レーザー検査装置に要求される厳しい寸法精度を確実にクリアするため、まずは規定値以上の膜厚(1mm以上)でPEEK樹脂を厚膜塗装・形成します。その後、表面を高精度の切削(機械)加工で仕上げることで、成形品を貼り合わせた場合と同等以上の平面度・平行度と高精度な寸法精度を確保しました。

  • 変形防止用固定治具の開発(熱歪み・収縮応力対策)

    PEEKコーティングの焼成時には約400℃という高い加熱温度がかかるため熱影響による基材の変形や、冷却時のPEEK樹脂と金属基材との熱膨張差による強力な収縮応力によって、大型金属ステージ自体が反り・歪みを起こす懸念がありました。これに対し、当社では長年のノウハウを活かし、「変形防止用専用固定治具」を設計・製作。熱処理中の歪みを限界まで抑制することに成功しました。

導入効果

貼り付け・位置決め・穴あけ等の加工工数を全廃。検査装置部品のトータルコスト30%以上削減を達成

実機およびテスト施工を経て導入いただいた結果、従来のPEEK成形品貼り付け仕様と比較して何ら遜色のない優れた保護性能と精度を実現し、半導体・液晶検査装置の製造プロセス合理化に貢献することができました。

厚膜PEEKコーティング導入による具体的な改善効果

  • 作業工数およびリードタイムの大幅な削減

    従来必須であった「成形品の貼り付け」「位置決め」「穴あけ加工」「部品固定」「高精度な水平精度調整」といった一連の手作業がすべて不要となりました。これにより、検査装置ステージ部品の製作期間(リードタイム)が大幅に短縮されました。

  • トータルコスト30%以上の削減

    PEEK成形品の材料費や加工費、組み立てに要していた多大な人件費・工数がカットされたことで、ステージ部品全体にかかるトータルコストを30%以上削減することに成功しました。

  • 接合部のないフラットな表面品質の向上

    コーティング後の一体切削仕上げにより、ネジ留め部や成形品の継ぎ目がない均一で滑らかなステージ面が得られ、検査対象となる製品へのキズ発生リスクをさらに低減できました。

樹脂成形品の貼り付けでお困りの半導体製造装置・液晶検査装置などの大型精密部品において、当社の厚膜PEEKコーティング技術が高精度化と劇的なコストダウンを同時に引き出す最適なソリューションとなりました。

採用されたコーティングブランド

液晶・半導体分野をはじめとする各種精密検査装置や自動化設備などで、優れた耐摩耗性・耐熱性・絶縁性を発揮する高機能PEEKコーティングの製品仕様や加工実績はこちらからご確認いただけます。

お問い合わせ・技術相談

こんなお悩み・ご相談はございませんか?
  • PEEKや樹脂成形品の貼り付け・位置決め・穴あけ作業に、膨大な工数とコストがかかっている
  • ネジ留めやシートの継ぎ目(段差・隙間)によって、ワークの不陸(凹凸)や精度が出ず困っている
  • 焼成時の加熱(約400℃)による基材の熱歪みや反りが懸念され、厚膜コーティングの採用をためらっている

当社では、大型ワーク(1〜2mサイズ)への厚膜塗装、高精度な追加工、歪み対策など、多様な課題に応じた最適なコーティング技術をご提案いたします。また、搬送ハンド部品(ハンドリング部品)やCMP工程の周辺部品、洗浄・エッチング工程におけるタンク・配管・チャンバーなど、半導体・液晶関連の製造装置における各種部品への機能性コーティングの多数の加工実績があります。半導体・液晶関連の製造装置部品へのテスト施工(試作)のご相談や費用・工数の見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

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