製品提案・仕様概要
密着性能3倍を誇る当社独自のふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release」による、狭小内径へのアプローチ
当社にご相談をいただいた当初、まずはふっ素樹脂コーティングの中でも特に耐摩耗性に優れた「高耐久グレード」をご提案し、試作施工を行いました。実機ラインで検証したところ、従来仕様よりは若干延命できたものの、それでも1ヶ月持たずに膜剥がれが発生。さらに施工ロットによって耐久性にバラつきが生じ、従来同様に2週間ほどで限界を迎えてしまうケースもあり、運用が安定しませんでした。
早期剥離の原因を詳細に調査・分析した結果、パッキン中心部の材料が通過する「ダイの内径部(Φ10mm以下の細穴)」の塗膜剥がれが特に著しいことが判明しました。従来のコーティング前処理である「ブラスト処理(物理的な粗面化)」では、このような極小口径・深穴の奥まで研削材が均一に届かず、塗膜の足がかりとなる十分な凹凸(アンカー効果)を形成できないことが、早期剥離の根本的な原因でした。
細穴・複雑形状の金型内面に対し、従来のブラスト処理に頼る工法ではこれ以上の耐久性向上は見込めないという技術的限界に直面したため、当社は次なる解決策として、自社開発の高耐久性ふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release(サーモプロリリース)」の適用をご提案いたしました。
「Thermo Pro Release」は、ふっ素樹脂が持つ優れた非粘着性・潤滑性を保持したまま、過酷な環境下での「密着性」と「耐摩耗性」を徹底追及した当社のハイエンド・高付加価値コーティングソリューションです。
高耐久性ふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release」の主な仕様と特長
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アンカー効果に頼らない「密着強度 3倍以上(従来比)」
従来のコーティングはブラスト処理による物理的な「アンカー効果」に強く依存していました。「Thermo Pro Release」は独自の特殊バインダー処方を採用することで、ブラスト処理が不十分になりがちな細穴・複雑形状の内面であっても、基材(金属)と強固に密着させることが可能です。
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高温・高圧下の溶融樹脂に耐える「耐摩耗性 2倍以上」
耐摩耗性に優れたバインダー樹脂の採用と、塗膜強度・密着性のバランスを極限まで高めた独自配合により、塗膜全体の耐摩耗性を従来品(高耐久グレード)の2倍以上に向上。高温・高圧の樹脂が高速で擦れる過酷な押出環境でも、長期間にわたり塗膜の摩耗を防ぎます。
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目ヤニ・ダイラインを防ぐ優れた「離型性・高すべり性」の維持
圧倒的な密着性・耐摩耗性を誇りながら、ふっ素樹脂本来の優れた非粘着性・低摩擦性(すべり性)はそのまま維持。金型表面への溶融樹脂の滞留や付着を強力に防止し、目ヤニ(メヤニ)や筋傷(ダイライン)の発生を根本から抑えます。
今回の課題であった「2層構造樹脂の複雑な流動バランス」を崩すことなく、最も流動負荷がかかるダイの内腔深くまで安定した強靭な被膜を形成できる点が高く評価され、実機ラインへの正式導入が決定いたしました。
