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CASE STUDY押出成形機ダイへの高耐久ふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release」適用による生産性向上とメンテナンスコスト削減

2026.07.02

導入背景・課題

2層構造パッキン製造における「目ヤニ・筋傷」の発生と、従来コーティングの耐久性不足

一般工業分野や化学工業・食品加工分野において、ドラム缶をはじめとする容器の気密性を保持する「樹脂製パッキン」は、液漏れや異物混入を防ぐための極めて重要な保安部品です。本事例のクライアント様は、断面が円形であり、中央部(芯材)と外周部で異なる樹脂材質を組み合わせた「2層構造の特殊パッキン」を、樹脂押出成形機を用いて製造されていました。

この特殊パッキンの成形工程において、心臓部となるのが「ダイ(ダイス)」と呼ばれる金型部品です。ダイの内部を溶融樹脂が通過する際、ダイ表面への樹脂付着を防止し、優れた潤滑性(すべり性)によってスムーズに押し出すことが、製品クオリティを保つ絶対条件となります。しかし、ダイ表面のすべり性が悪化したり、樹脂が一部に滞留・付着したりすると、成形現場を悩ませる2つの重大な外観不良が発生しやすくなります。

➤目ヤニ(凸ブツ不良)
ダイ表面に滞留した樹脂カスの塊が、成形中に突然外れてパッキン表面に付着し、突起状のブツとなる現象。

➤筋状の傷(ライン不良)
ダイ出口付近に固着した樹脂カスが原因となり、押出方向に沿って製品表面に連続的な傷をつけてしまう現象。

これらの不良を防止するため、従来は他社にて一般的なふっ素樹脂コーティングをダイに施していました。しかし、溶融樹脂による摩耗や負荷が高く、わずか2週間程度でコーティングが剥がれてしまうという耐久性の短さが大きな課題となっていました。

当社にご相談をいただいた当初、まずはふっ素樹脂コーティングの中でも特に耐摩耗性に優れた「高耐久性グレード」をご提案し、テスト施工(試作)を行いました。実機に組み込んで検証したところ、従来仕様に比べて若干の寿命延長は見られたものの、それでも1ヶ月持たずに剥離が発生。さらに、処理ロットによって耐久性にバラつきが生じ、従来同様に2週間程度で寿命を迎えてしまうケースもあり、運用が安定しませんでした。

詳しく原因を調査した結果、特にパッキン中心部の材料が通過する「ダイの内径部」の塗膜が著しく剥がれやすいことが判明しました。このダイはΦ10mm以下という極めて細い穴形状の内面となっており、コーティング前処理である「ブラスト処理(物理的な粗面化)」の微粒子が奥まで均一に届きにくく、塗膜の足がかりとなる十分な凹凸(アンカー効果)を形成できないことが、早期剥離の根本的な原因でした。

製品提案・仕様概要

密着性能3倍を誇る当社独自のふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release」による、狭小内径へのアプローチ

細穴・小口径の内面に対して、従来のブラスト処理に頼る工法ではこれ以上の耐久性向上は見込めないという技術的限界に直面したため、当社は次なるブレイクスルーとして、独自開発の高耐久性ふっ素樹脂コーティング「Thermo Pro Release(サーモプロリリース)」の適用をご提案いたしました。

「Thermo Pro Release」は、従来のふっ素樹脂コーティングが持つ優れた離型性や滑り性をそのままに、「密着性」と「耐摩耗性」を突き詰めた、当社のハイエンド・高付加価値コーティングソリューションです。最大の特徴は、独自のバインダー技術と塗膜構造にあります。

➤一般的なふっ素樹脂コーティングの3倍以上の密着強度
従来のコーティングは、下地をブラスト処理でザラザラに粗面化することで塗膜を物理的に固定する「アンカー効果」に強く依存していました。しかし「Thermo Pro Release」は、従来のアンカー効果に加えて、基材(金属)との接着を高める特殊処方を採用しているため、ブラスト処理が十分に施せない低粗度な表面であっても、強力に塗膜を密着させることが可能です。

➤圧倒的な耐摩耗性
「Thermo Pro Release」は、耐摩耗性に優れたバインダー樹脂の採用と、塗膜強度と密着性のバランスを極限まで突き詰めた配合比率の調整により、塗膜の耐摩耗性を従来の倍以上にまで高めています。高温・高圧の溶融樹脂が連続して擦れる押出成形特有の過酷な摺動環境下でも、塗膜が摩耗しにくく、長期間にわたって初期のコーティング性能を維持します。

今回の課題であった「2層構造樹脂の流動バランス」を崩すことなく、最も負荷のかかるダイの内腔深くまで安定した強靭な被膜を形成できる点が高く評価され、実機ラインへの導入が決定いたしました。

導入効果

コーティング寿命が6倍に延伸!連続稼働による生産性向上とリコート費用の削減

押出成形機のダイに「Thermo Pro Release」を適用した結果、従来の課題が劇的に解決され、製造現場の生産効率とコスト構造に大きなメリットをもたらしました。

➤耐久寿命が2週間から3ヶ月へ(約6倍の長寿命化)
最も懸念されていたΦ10mm以下の細穴内径部における塗膜の早期剥離が完全に解消されました。他社コーティングでは2週間、当社の高耐久グレードでも1ヶ月未満で寿命を迎えていたダイが、3ヶ月以上もの長期間にわたり剥がれることなく、安定して稼働し続ける驚異的な耐久性を実証しました。ロットごとの寿命のバラつきもなくなり、計画的な運用が可能となっています。

➤不良発生率の大幅な低減と品質の安定化
「Thermo Pro Release」が誇る最高峰の離型性(樹脂付着防止)と潤滑性能により、ダイ内部での樹脂の滞留がシャットアウトされました。成形不良の主因であった「目ヤニ(凸ブツ)」や「筋状の傷」の発生が特に見られなくなり、製品の歩留まり(良品率)が飛躍的に向上しました。

➤メンテナンスコストの削減とライン稼働率の最大化
これまでは2週間ごとに成形ラインを停止し、ダイを分解して再塗装(リコート)や部品交換を行う必要があり、莫大なダウンタイムロスと人件費、加工費用が発生していました。導入後はメンテナンス頻度が激減したため、設備を止めることなく長期の連続安定稼働が実現。ダイの再塗装サイクルが長くなったことで、総合的なランニングコスト・メンテナンスコストの劇的な圧縮に成功されました。

お客様からも、「細穴のコーティングは寿命が持たないと半ば諦めていたが、Thermo Pro Releaseのおかげで劇的に現場の負担が減り、止まらない生産ラインを構築できた」と、大変高い評価をいただいております。

採用されたコーティングブランド

「Thermo Pro Release」は、一般的なふっ素樹脂コーティングの3倍以上の密着強度を誇る当社独自の高耐久性コーティング技術です 。ブラスト処理が十分に施せない小口径(Φ10mm以下)の内径面に対しても強力に塗膜を密着させ、目ヤニや筋傷といった樹脂押出成形特有の外観不良を徹底的に防止します 。本事例ではダイの耐久寿命を2週間から3ヶ月へと約6倍に延伸させ、成形ラインの連続稼働による生産性向上と、リコート・部品交換に伴う総合的なメンテナンスコストの大幅な削減を同時に実現しました 。摩擦や摩耗による成形不良・早期剥離にお悩みの方に最適なソリューションです 。

お問い合わせ

貴社の製造工程における樹脂付着や摩耗、早期剥離トラブルといった課題解決に向け、最適なコーティング仕様をご提案いたします 。製品の詳細やテスト加工、試作のご相談など、どのようなお悩みでも、まずはお気軽に当社まで技術相談・お問い合わせください 。

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