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CASE STUDYゴム製品の射出成型金型における離型性と耐摩耗性の課題を解決!|ふっ素×PEEK複合コーティング「PEEKCOAT Plus A」施工事例

2026.11.03

導入背景・課題

ゴム製品の成型金型における耐久性の課題とコーティングの選定

ゴム製品の製造現場において、成型に用いられる金型は、最終製品の品質や生産効率を大きく左右する心臓部です。本事例の対象となった製造工程では、ゴム製品の射出成型(インジェクション成形)において、加硫寸前まで加熱されて柔らかくなった生ゴムがバルブ部から押し出され、金型内部に隙間なく充填されます。その後、金型内部で140℃から180℃の温度帯による加硫工程を経てゴムが硬化・成型されます。この製造プロセスにおいては、製品の品質を保ち、後工程でのトラブルを防止するための以下のような条件が求められていました。

ゴム製品製造に求められた塗膜仕様・条件

  • 後工程の接着不良を防ぐための離型剤不使用

    ゴム部品の貼り付けを行う後工程において、接着不良などの不具合が発生するリスクがあるため、金型表面への離型剤(シリコーンなど)の塗布や使用ができないという制約がありました。そのため、金型自体の表面処理のみで離型性を確保する必要がありました。

  • 高圧充填される生ゴムとの摩擦による塗膜の摩耗・剥離

    高圧で金型内部に押し込まれ充填される生ゴムとコーティング表面が激しく擦れ合うことで、一般的な表面処理では塗膜が早期に摩耗や剥離を起こしてしまうという問題がありました。

  • 加硫工程における耐熱性と耐久性の両立

    140~180℃に達する高温の加硫工程が継続的に行われるため、熱による塗膜の劣化を防ぎつつ、長期間にわたって安定した性能を維持する耐熱性と耐久性が求められていました。

金型の新規設計段階でお話をいただき、これらの要求条件を満たすべく、ファーストアプローチとして一般的なふっ素樹脂コーティングを施工して検証を行いました。しかし、優れた離型性は確認できたものの、高圧で押し出される生ゴムとの激しい擦れに塗膜が耐えきれず、早期に摩耗・剥離を起こしてしまう結果となりました。この試作検証を経て、過酷な高圧・摩擦条件をクリアできる新たなコーティング仕様の選定が必要となりました。

製品提案・仕様概要

ふっ素樹脂とPEEK樹脂を融合したハイブリッドコーティング「PEEKCOAT Plus A」の提案

ふっ素樹脂コーティング単体では、高圧下の摩擦環境において物理的な耐久性が不足するという課題が明確になったため、当社は次なるソリューションとして、ふっ素樹脂の被膜の中にPEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)の微粒子を均一に分散させたハイブリッド型コーティング「PEEKCOAT Plus A」をご提案しました。本仕様は、優れた特性を持つ2種類の樹脂を組み合わせることで、過酷な金型内部の環境に対応します。

ふっ素樹脂×PEEK ハイブリッドコーティング「PEEKCOAT Plus A」の仕様と特長

  • ふっ素樹脂による優れた離型性を発揮

    ベースとなるふっ素樹脂の特性により、型から外す際にゴムが金型表面へ貼りつく現象をしっかりと防ぎます。離型剤を使用できない条件下でも、スムーズな型離れを実現し、成型品の品質安定に寄与します。

  • PEEK樹脂による高い耐摩耗性と耐久性強化

    膜の内部に配合されたPEEK樹脂の微粒子が補強材として機能し、高圧で充填される生ゴムとの激しい摩擦による塗膜の摩耗や剥離を効果的に抑制します。

  • 高温の加硫工程に耐える優れた耐熱性

    コーティングの主成分である「ふっ素樹脂」および「PEEK樹脂」はいずれも、連続使用温度250~260℃の高い耐熱性を有します。したがって、140~180℃で行われる加硫工程の熱に対しても塗膜が劣化しにくく、長期間の加熱・冷却サイクルにおいても安定した性能を保つことができます。

新規設計の初期検討における結果を踏まえ、ふっ素樹脂が持つ優れた非粘着性・離型性を活かしつつ、内部のPEEK樹脂によって耐久性を強化することで、ゴムの密着防止と金型の長寿命化の両立を図りました。

導入効果

試作テストから実機ライン投入までの改善効果と実運用への貢献

ご提案した「PEEKCOAT Plus A」で試作し、事前評価において目標とする基準をクリア。その後、実際のゴム製品製造ラインに投入して運用を行った結果、お客様が設計段階で求められていた要求性能を満たし、ご採用いただく運びとなりました。

ふっ素樹脂×PEEKハイブリッドコーティング「PEEKCOAT Plus A」の採用

  • 設計段階での目標耐久性の達成と安定稼働

    実際の製造ラインに投入したところ、約半年の連続運転を行うことができました。お客様が設計段階でご希望されていた耐久性をしっかりとクリアし、ご担当者様にもご満足いただく結果となりました。

  • 摩耗・剥離トラブルの発生防止と生産の安定化

    高圧で充填される生ゴムとの摩擦による塗膜の摩耗や剥離が抑えられたことで、金型の突発的なメンテナンスや補修の手間を起こさず、スムーズな生産ラインの立ち上げが実現しました。

  • 離型剤不使用の製造条件における品質維持

    離型剤を使用できない厳しい制約の中でも、金型表面の優れた離型性が長期間持続し、後工程での接着不良などの不具合リスクを抑えた安定した生産が可能となりました。

今回のコーティング導入により、新規設計の金型において優れた耐久性と離型性が同時に実現され、初期立ち上げから安定した生産体制の構築に大きく貢献する結果となりました。

お問い合わせ・技術相談

貴社のゴム製品の製造工程において、こんなお悩みありませんか?
  • 離型剤が使用できない工程で、金型や部材へのゴム・樹脂の貼りつきに困っている
  • 高圧の充填や激しい摩擦により、コーティングがすぐに摩耗・剥離してしまう
  • 金型や部品の耐久性を高め、メンテナンスや交換の頻度を減らしたい

貴社の製造工程や金型の仕様、使用条件に合わせた最適なコーティング仕様のご提案や、試作テストのご相談を承っております。課題解決に向けた糸口として、まずはお気軽にお問い合わせください。

採用されたコーティングブランド

ゴム製品の成型金型において、離型性と耐摩耗性を両立させる「PEEKCOAT Plus」の詳細な仕様や、その他の適用事例については製品ページよりご確認いただけます。過酷な摺動環境や耐摩耗性にお困りの際は、ぜひご参照ください。

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