CASE STUDY 製品採用事例

  • HOME
  • 製品採用事例

CASE STUDYサーマルプリンターの印字受け用ゴムシートにおけるタック性解消とコスト削減|シリコーンゴムへのふっ素系コーティング「FU-2015」採用事例

2026.10.23

導入背景・課題

感熱紙粘着剤や熱によるゴムの硬化トラブルと、シート変更に伴う新たな課題

サーマルプリンター(感熱式プリンター)内部において、印字時に用紙を裏側から支え、印字ヘッドとの密着度を保つ「印字受けロール」は、印刷品質を左右する重要なパーツです。今回、ご相談いただいたお客様では、印字受けロールは、SUS(ステンレス)基材の表面にNBRやSBRなどの合成ゴムをコーティングした仕様が使用されていました。

しかし、感熱紙などの用紙に含まれる化学物質や粘着剤、印字ヘッドから発せられる熱の影響により、使用に伴ってゴム表面が硬化してしまう問題が発生していました。ゴムの柔軟性が失われると印字品質が低下し、ロール基材ごと新品へ交換せざるを得ず、交換コストとメンテナンス負担が大きな課題となっていました。

そこで、耐熱性に優れ、化学物質に対して不活性な「シリコーンゴムシート」をロール表面に貼り付けて運用する方式への変更が検討されました。シリコーンゴムを採用したことで期待通りの柔軟性と耐熱性を確保できたものの、シリコーンゴム特有の「タック性(べたつき・粘着性)」によって、以下の新たな課題が発生しました。

仕様変更に伴い発生した課題

  • 用紙のはりつきによるジャム(詰まり)や巻き込みの発生

    シリコーンゴム表面の粘着性(タック性)により、搬送中の用紙がロールにくっつき、用紙のジャムやロールへの巻き込みトラブルが発生。

  • 紙送り精度の低下(ピッチのズレ)

    ゴムの強い摩擦とべたつきによって用紙の搬送抵抗が一定にならず、印字ピッチのズレが生じて印刷精度に悪影響が生じました。

  • 紙粉やゴミの吸着による印字不良

    表面のタック性によって紙粉や微細なゴミが吸着・固着しやすく、印字漏れや印字かすれといった品質不良の原因となりました。

製品提案・仕様概要

常温加工タイプふっ素系コーティング「FU-2015」によるシリコーンゴムの表面改質

シリコーンゴムの柔軟性を維持しながら、表面のタック性(べたつき)を解消するため、当社はゴム基材専用の低温加工タイプふっ素系コーティング「FUシリーズ FU-2015」の施工をご提案いたしました。

一般的な潤滑コーティング(ふっ素樹脂コーティングなど)は、焼付時に高温処理が必要となるため、ゴム素材への適用は困難でした。しかし「FU-2015」は常温硬化が可能な常温加工タイプであり、耐熱ゴム(VMQ)やフッ素ゴム(FFKM)などの各種ゴム素材の特性を損なうことなく塗装が可能です。本仕様の主な特長は以下の通りです。

ゴム専用ふっ素系コーティング「FU-2015」の仕様と特長

  • ふっ素樹脂(PTFE)と同等のすべり性・低摩擦特性

    「FU-2015」を施工することで、シリコーンゴム表面の動摩擦係数を0.1程度まで低減します。ゴム本来の柔らかさを保ちつつ、表面に高いすべり性を付与します。

  • 優れた非粘着性とタック性防止効果

    純水接触角107°という高い撥水性を表面に付与。非粘着性能もふっ素樹脂コーティングと同等の表面特性を付与し、ゴム表面のべたつきを防止します。

  • 常温硬化プロセスによるゴム基材への施工性

    高温焼き付けが不要な常温加工タイプであるため、熱によるゴム基材の劣化や変形リスクを回避し、密着性の高い被膜を形成します。

導入効果

タック性に起因する印刷トラブルが解消し、ロールの寿命延伸と大幅なコストカットを実現

サーマルプリンターの印字受け用シリコーンゴムシートに「FU-2015」を適用・検証した結果、タック性に起因していた不具合が解決されました。

低温加工型ふっ素系コーティング「FU-2015」の導入による改善効果

  • 用紙の搬送トラブル解消と印字精度の安定化

    コーティング被膜によってゴム表面のべたつきが抑制され、用紙のはりつき(ジャムや巻き込み)がほとんど発生しなくなりました。摩擦抵抗が一定になったことで紙送り精度が向上し、印字ピッチのズレも防ぐことができています。

  • 紙粉・異物の付着防止による品質向上とメンテナンス性改善

    非粘着性が向上したことで、紙粉や清掃時のゴミがゴム表面に吸着しにくくなりました。これにより、異物噛み込みによる印字不良を防ぐとともに、日常の拭き取り清掃作業の手間も軽減されました。

  • 基材交換頻度の低減による大幅なコスト削減

    耐熱性・耐化学薬品性に優れたシリコーンゴムシートと、すべり性・非粘着性を与える「FU-2015」を組み合わせることで、従来のゴムロール硬化に伴う丸ごと交換運用から脱却できました。部品寿命が大幅に延び、全体的なランニングコストの大幅な削減を達成しました。

お問い合わせ・技術相談

ゴム部品のすべり性やべたつきに関するこんなお悩みはありませんか?
  • ゴム表面のベタつき(タック性)により、搬送物やフィルムがくっついて離れない
  • ゴムロールやゴムシートに紙粉・ホコリ・粘着剤が付着して清掃に時間がかかる
  • ゴムの柔軟性を保ったまま、ふっ素樹脂のようなすべり性や非粘着性を付与したい

このようなお悩みやご相談がございましたら、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。専門の技術スタッフが貴社の課題解決に向けて最適なソリューションをご提案いたします。

採用されたコーティングブランド

今回採用されたゴム専用ふっ素系コーティング「FU-2015」の製品スペックや技術データ、施工条件などの詳細情報は、以下の製品情報ページにてご紹介しております。シリコーンゴムをはじめとするゴム部材のすべり性向上・タック性防止をご検討中の方は、ぜひご覧ください。

NIKKEN関連する製品採用事例

TOPに戻る