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CASE STUDY半導体・電子部品搬送ハンド(アーム)部品への帯電防止PEEKコーティング適用

2026.06.09

導入背景・課題

樹脂製ハンド(アーム)部品の摩耗粉と静電気、そして交換工数の増大

半導体や電子部品の製造工程において、ガラス基板やシリコンウエハを搬送する装置の「ハンド部品(アーム部品)」は、デリケートな基材と直接接触することから、その表面特性には繊細さが求められます。そのため、従来、当該工程では基材への攻撃性を抑える(傷をつけない)目的から、部品表面をコーティングする、あるいは部品自体を樹脂成形品で制作するなどの対策が取られています。
今回、ご相談いただいたお客様では、PEEK樹脂の成形品が使用されていましたが、24時間稼働を続ける過酷な製造ラインの中では、以下の3つの大きな課題が浮き彫りになっていました。

従来の運用における主な課題

  • 摩耗粉(パーティクル)の発生と静電気による付着

    搬送時の接触が繰り返されることで、樹脂表面が微細に摩耗しパーティクルが発生。さらに、樹脂特有の静電気を帯びやすい性質(帯電)によって、発生したパーティクルがハンドや製品基材に引き寄せられて付着し、歩留まり悪化のリスクとなっていました。

  • クリーンルーム内における多大なメンテナンス工数

    消耗したハンド部品を交換する際、作業環境が「クリーンルーム内」であるため、作業員の厳格な入室手順や事前の清浄化処理が必要となり、多大な時間と人件費(工数)を要していました。

  • 装置停止による生産ライン全体の停滞

    部品交換のたびに製造装置を完全に停止させなければならず、ライン全体の生産性を押し下げる大きな要因となっていました。

製品提案・仕様概要

高強度金属基材への「帯電防止PEEKコーティング」の提案

これらの複合的な課題を解決するため、当社ではハンド部品の構造自体を見直し、従来の「PEEK樹脂単体(成形品)」から、「高剛性な金属(SUS)基材 + 特殊PEEKコーティング」へ切り替える新仕様をご提案しました。

高精度な金属加工により構造物としての高い剛性と寸法精度を確保しつつ、基材との接触面には帯電防止機能を備えた「PEEKCOAT N04blk」を成膜。「金属の強度」と「PEEK樹脂の低攻撃性」、そして「帯電防止性」の特殊仕様を融合させることで、過酷な搬送ラインに耐えうる理想的なハンド部品を実現しました。

帯電防止PEEKコーティング(N04blk)の仕様と特長

  • SUS基材による高剛性化と耐久性の向上

    ベースを金属(SUS)化することで、樹脂単体で懸念された「しなり・たわみ・経年変形」を解消。高精度な搬送位置決めを維持し、部品破損リスクを抑えます。

  • 静電気を逃がす「優れた帯電防止機能」

    導電性・帯電防止性能(N04blk仕様)を付与した被膜により、摩擦による静電気の帯電を防止。発生した微細な摩耗粉(パーティクル)の引き寄せ・付着をシャットアウトします。

  • デリケートな基材を守る「優れた低攻撃性と平滑性」

    PEEK特有の滑らかで硬質な表面被膜を形成。ガラス基材やシリコンウエハとの接触時における「擦過傷(擦り傷)」の発生を徹底的に抑え、クリーンルーム環境へ最適化しました。

導入効果

歩留まり向上、耐久性強化、そして「リコート」によるコスト削減

SUS製ハンド部品に帯電防止仕様の「PEEKCOAT N04blk」を施工し、実際の半導体・電子部品製造ラインへ投入した結果、歩留まり改善やダウンタイム削減において高い効果が得られました。

金属基材+PEEKコーティングへ仕様変更による改善効果

  • 帯電防止機能により、パーティクル付着・転移を低減

    被膜自体に帯電防止機能を持たせることで静電気の発生を抑制。ハンドへの摩耗粉の付着だけでなく、製品基材(ガラス・ウエハ)へのパーティクル転移を防ぎ、歩留まりの大幅向上に貢献しました。

  • 優れた表面平滑性により、基材の擦過傷を解消

    樹脂成形品と同等以上の滑らかな表面特性を実現。デリケートな基材と接触しても傷をつけることなく、クリーンで安全な高速搬送が可能となりました。

  • 高剛性化で交換周期が長期化し、ダウンタイムを削減

    芯材をSUS(金属)にしたことで部品自体の剛性と耐久性が飛躍的に向上。従来の樹脂製ハンドに比べて交換周期が劇的に伸び、クリーンルーム内での作業工数および装置の停止時間を大幅カットしました。

  • 「再塗装(リコート)」対応によりランニングコストを大幅削減

    使い捨てだった樹脂成形品とは異なり、被膜が摩耗しても「剥離・再塗装」によりハンド部品を複数回にわたり再利用可能に。高価なハンド金属本体を再利用できるため、長期的なランニングコスト削減と環境負荷低減(SDGs)を同時に達成しました。

採用されたコーティングブランド

今回採用された「PEEKCOAT N04blk」は、優れた耐摩耗性と帯電防止機能を高次元で融合させた高機能コーティングです。
従来の樹脂成形品では避けられなかった「摩耗粉の発生」や「静電気の帯電」といった課題を、金属基材との組み合わせによって根本から解決。クリーンで安定した搬送性能を長期間維持し、製造現場の生産性向上を強力にサポートする最適なコーティングソリューションです。

お問い合わせ・技術相談

貴社の製造ラインにおいて、ハンド部品の摩耗やパーティクルによる歩留まり低下、あるいはクリーンルーム内での頻繁なメンテナンスにお困りではありませんか?日建塗装工業では、本事例のような「金属+PEEKコーティング(リコート運用)」のほか、ウエハ搬送用アームへの「ふっ素樹脂コーティング」など、多様な加工実績がございます。
「樹脂製ハンドの寿命を延ばしたい」「特殊環境下での搬送効率を高めたい」といった課題に対し、当社の技術陣が最適な仕様をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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